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それ,アウトじゃん

某所にて。
「東京電力は法的整理をしないとだめだ」
ふむふむ,で,その理由は?
「放射性物質の流出を理由に外国から損害賠償請求される危険がある。
 今の賠償スキームでは結局それらも国が支払わなければならない。」
あれ?そうだっけ?

で,仮にそうだとして,法的整理をすれば,その不都合が避けられるという理由がわからない。

たぶん,法的整理……この場合はたぶん破産だと思うけど
まあ会社更生でもいい。
債権の大幅なor全額カットという意味を
「(民法上の債務と責任とで説明した時の「強制執行されない」という意味での)責任の消滅」
ということで考えているんだろうけど
そこまでは正解だ。

ところがだ……。
国際法のレベルではそうはいかない。
国家自身が日本国に対して損害賠償請求をするとした場合
その要件を満たしてしまえば結局日本国自身が賠償しなければならないわけで
その要件を満たしていない……って断言できるの?って思う。
一つにはhttp://www.lufimia.net/dynamic2/tpl00/87に書いた話で,今の段階でこれを完全に否定できるというなら,
そもそも東京電力に対する賠償請求自体否定できるんじゃないかな?
もう一つは外交的保護権による請求で,
前提としてはその国家内の誰かが損害賠償できることが要件にはなるんだけど
「法的整理を理由に国内的救済受けられない」ってことになれば
やはり日本国自身の問題になってしまう。

で,重要なのは,この2点は「法的整理をしてもしなくても」答が変わらない
言い換えれば「法的整理をすれば日本国は助かる」という話ではない点なのさ。

(2011年9月27日 0時40分)


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