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男女同一報酬

有斐閣双書のワークブック国際法の第49問は
「男女労働者に対する同一報酬」を定めたILO100号条約に関する問題で
A 男女完全同一報酬 生理休暇なし=生理で休んでも欠勤扱い
B 生理休暇あり=欠勤扱いではないが,給与はその分カット
C 生理休暇あり+生理休暇は有給
D 生理休暇=産休→就労禁止+有給
の4パターンについて
ILO100号条約違反のものを指摘する(正解はB)のと
同条約に最も適合しているものを指摘する(正解はA)ということなのだが……。

解説で
「有給生理休暇の規定はILOの条約および勧告の中には見当たらず」
とあるところ
女子差別撤廃条約11条1項fで確保される
「作業条件に係る健康の保護及び安全(生殖機能の保護を含む)についての権利」
とか
2項bの給料……を伴い,雇用関係の喪失……を伴わない母性休暇に
に「有給生理休暇制度」や「就業禁止」が入ってもよさそうなもんなんだけど
ざっと調べた限りストレートに書いているのを見つけられないでいるのよ。
解説でも「働く婦人のみを対象とする保護の再検討」と書いているし
ある文献では女性差別撤廃条約の方向性として
「母性保護のための措置以外の女性に対する保護は究極的には解消するべき」
ともしているんだけど
じゃあ母性保護のための措置とそうでないものの判断基準はどこさ……と。

う~む。

(2012年10月31日 23時38分)


  1. 68条は就業禁止というより使用者はそれを理由とした休暇の申請を拒んではいけないという規定。
    疾病や怪我を理由とした休暇申請と同じ扱いなのかな…
    要件は不明なれど。強いて言えば生理休暇の行使には客観的な証明は不要。
    (疾病や怪我のように休暇中に遊び歩いてはいけないということもない。)
    そして治療に専念する義務もない>生理ですから。

    生理休暇=母性保護ではない気がする。ゆえに究極的には解消するべき制度なのかも。
    というかそれ自体、過去の遺物っぽい気もしますが。

    そもそも母性保護ってなによ?という問題。個人的には生まれてくる子供の保護?かな。
    受胎後の母性保護って、究極はその生れ出る新しい命の問題なのか?
    これなら各種条約の説明はつくと思います。
    (2013年9月1日21時34分)

    Comment by 佐藤泰範 — 2015年4月17日23時13分

  2. これは本文で書いたとおりもっぱら
    |「母性保護のための措置以外の女性に対する保護は究極的には解消するべき」
    |ともしているんだけど
    |じゃあ母性保護のための措置とそうでないものの判断基準はどこさ……と。
    という話で
    条約自体
    「「作業条件に係る健康の保護及び安全(生殖機能の保護を含む)についての権利」
    「給料……を伴い,雇用関係の喪失……を伴わない母性休暇」
    は認めているわけで
    「有給生理休暇の規定はILOの条約および勧告の中には見当たらず」
    しか書かなかったら,そりゃあ解説としてもまた答案としてもどうか?という話なのです。
    (2013年9月3日0時58分)

    Comment by 佐々木 将人 — 2015年4月17日23時14分


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