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司法試験&予備試験 刑法・刑事訴訟法・刑事実務 論文虎の巻

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/9784864660488.html
もともと司法試験(どちらかというと予備試験)の受験参考書で
司法試験予備校における講演を書籍化したもんなんだけど
これは刑事系の法解釈学の試験の答案を書く人は
全員持っててもいいんじゃないかと思うくらいの本だと思うのね。

話は実は昔にさかのぼる……。

旧司法試験の末期から受験指導で一世を風靡しているSさんって方がいる。
何せ自身が早期に受かっているし
奥さんも司法書士試験に早期に受からせているし
特に「知識量の勝負ではない→捨てるのも大事」という点において
私も相当参考にしている。
……てえか,ぶっちゃけあの試験で筆記は連勝できたのはSさんのおかげとさえ言える。

ただ……一方で拭い難い違和感があったのも事実。
その最大の理由は何かと言えば……。

法解釈学の試験の答案で初心者がやりがちなミスというのは
「結論があっていれば途中の理由はどうでもいい」
って考えちゃいがちなこと。
これが大間違い。
たいていの試験では
「途中の理由が法学的であれば結論がどうであっても正解」
「途中の理由が法学的でなければ結論があっていても不正解」
ということになっている。
言い換えれば法解釈学の試験の答案で要求されるのは
「法律知識を得ていることを示す」のではなく
「法的思考ができていることを示す」こと。
……これがわかっていれば,六法の丸暗記は意味がないことがわかってもらえるはず。
  ちょっとした試験なら六法は持ち込み可か試験機関から貸与される。
  ……ちなみに予備試験では貸与だけど試験終了時に持ち帰れる。

で,Sさんの本では
この理由が「え?それのどこが理由になるの?」というものだったから。

でもSさんは司法試験合格の実績のある人だしなあ……なんてもやもやしつつ
別のとある試験で自分が指導する側にたった時には
理由をSさん的に書いても許さなかった……。
「理由になってないよ」
ってよく指摘していた。
……指導の結果である筆記試験の合格者1名,別のとある試験の合格者1名出しているから
  外しちゃいないと思うのだが……。

そのもやもやがこの本ではれたのだよ。
司法研修所の教官の経験のあるこの本の著者が
まさに私と同じ立場で
「それは理由にはなっていない」
と指摘していたからなのさ。
そして著者が理由として書かなきゃいけないと例示していた内容は
私も書かなきゃいけないと思っていた内容だったのさ。

加えて,著者がこんなことも指摘している。
実際の旧司法試験の答案ではほとんどの答案が「理由になっていない」答案で
それから外れているのは極端にいいか極端に悪い答案で
「理由になっていない」答案でも合格にせざるを得なかったという。
……これでSさんの方式でも通ったことが説明できるわけさ。

というので
自分自身が自信を回復できた本であると同時に
およそ「答案に何を書かなきゃいけないのか」に迷っている人におすすめだと思った次第。


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