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国会議員定数不均衡の続き

小林良彰 「民主主義を機能不全に陥らせた「一票の格差」がもたらす3つの弊害」
1票の格差が国会における決定にどのように影響したかをシミュレーションしたもので
2005年選挙(いわゆる郵政選挙の自民圧勝)と2009年選挙(民主圧勝)とで比べた場合
発言において傾向の差はなく
おおむね
「防衛問題については,定数不均衡によってより声が大きくなっている」
「教育・労働や社会福祉、保健衛生について,定数不均衡によってより声が小さくなっている」
と言え
また定数不均衡で1票の価値が重い地域ほど
「特別交付税の交付額及び農林水産費と普通建設事業費の支出」が多いという傾向があったという。
前者も相当問題なんだけど
後者ははかりしれない問題じゃないだろうか……。

とはいえ後者の問題の本質は
実は定数不均衡の問題ではなく
国の守備範囲の問題なわけなんだけど……。
(人口が少ない地域ほど1人あたりの受益額は大きくなるし
 これを平等にすることは結局「地方には人は住むな」という問題になってしまう。
 これは定数不均衡を解消したから解決するという問題ではない。)

前者の問題はもっと研究・公表されるべきだよなあ。
……あたしも「全国1区比例代表制の下による議席配分」を発表しているのではあるが……。

ちなみに……
小林教授が定数不均衡の解決策としてあげている選挙制度は
あえて全国1区にせず選挙区を設け
議席配分を人口や有権者数によらず実際の投票数によって決定することにより
全体としては比例代表制にしつつ
個々の当選者の決定に際しては「投票数が少ないことで議席そのものが配分されない」というプレッシャーをかけて
もって投票率の向上=棄権の防止につとめたという点でおもしろい着眼点だと思うけど……。
そこまで地域代表的性格にこだわりつつ
比例代表という政党を単位として制度にすることに
どれだけのメリットがあるのか私には疑問。
「政党名か個人名を書いて投票し
 政党別の議席数は比例配分して
 その中の順位は個人名の投票順」
という方が簡明でなおかつ思想として一貫していると思うんだけど……。
……参議院の全国区の頃だって
  大政党は地域割していたもん。
  議席が複数とれるところは頼まなくたって地域代表の性格の候補者を用意してくれる。
  地域に分けた結果1人も出せないような少数政党にも一定の議席を与えるべきだというのが
  少数代表法や比例代表法の主張なんで
  それでいながら選挙区導入するってえのがな~。


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